特定技能の在留資格について
在留資格「特定技能」は、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対 応するため,生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において,一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるために設けられたものである。
該当範囲
入管法別表第1の2の表の「特定技能」の項の下欄は,本邦において行うことができる活動を以下のとおり規定している。
1号 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(第2条の5第1項から第4項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動
2号 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動
入管法別表第1の2
出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄に規定する法務省令で定める産業上の分野は,次に掲げる分野とし,同項の下欄第1号に規定する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能及び同項の下欄第2号に規定する法務省令で定める熟練した技能は,基本方針にのっとりそれぞれ当該分野(同項の下欄第2号に規定する法務省令で定める熟練した技能にあっては,第6号及び第7号に掲げるものに限る。)に係る分野別運用方針及び運用要領(当該分野を所管する 関係行政機関,法務省,警察庁,外務省及び厚生労働省が共同して定める運用要領を いう。)で定める水準を満たす技能とする。
出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令
1号 介護分野
2号 ビルクリーニング分野
3号 素形材産業分野
4号 產業機械製造業分野
5号 電気・電子情報関連産業分野
6号 建設分野
7号 造船・舶用工業分野
8号 自動車整備分野
9号 航空分野
10号 宿泊分野
11号 農業分野
12号 漁業分野
13号 飲食料品製造業分野
14号 外食業分野
(1) 要件の内容
ア 特定技能外国人の契約の相手方である本邦の公私の機関(以下「特定技能所属機関」 という。)が、特定技能外国人に行わせる業務内容が、人手不足が深刻な分野において, 生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお,当該分野の存続・発展のために外国人材の受入れが必要と認められる分野として法務省令で定めるもの(以下 「特定産業分野」という。)に該当し,特定技能外国人が技能を有するものとして,その内容を確認された所定の業務に該当するものであることを求めるもの。
イ なお,特定産業分野及び従事する業務区分とは,第31節別表の「特定産業分野・業務区分に係る業務内容・試験・技能実習対応表」のとおりである。
(2) 審査のポイント及び立証資料
ア 特定技能所属機関に特定技能外国人の受入れ実績がない場合には,登記事項証明書の目的欄等に関する記載から,当該機関の事業内容が第31節別表の「特定産業分野・業務区分に係る業務内容・試験・技能実習対応表」の「①分野」に対応する「②特定技能外国人が従事する業務」に明らかに該当しないものでないことを確認した上,特段の疑義があれば分野所管省庁に相談するよう指導する。
イ 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領を参照しつつ,特定分野の要件適合性審査チェックリストに従って審査を行う。
(3) その他留意事項
ア 特定技能外国人が,複数の特定産業分野における技能水準及び日本語能力水準を満たした上で,特定技能所属機関において,対応する複数の特定産業分野の業務を行わせるための各基準に適合するときは,法務大臣が当該複数の特定産業分野の業務を指定することで,特定技能外国人は当該複数の特定産業分野の業務に従事する活動を行うことが可能である。
イ 複数の特定産業分野の業務を行わせる場合には,在留諸申請における各申請書の所属機関等作成用1の「2特定技能雇用契約(2)従事すべき業務の内容」欄のうち,主に従事することとなる特定産業分野の業務について記載欄の最上段に「主たる分野」と記載した上で当該特定産業分野名を記載し,それ以外の特定産業分野の活動を2段目以降に「従たる分野」と記載した上で当該特定産業分野名を記載するよう案内する。
ウ 特定技能所属機関は,特定技能外国人との間で特定技能雇用契約を締結する必要があるところ,「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について」(平成30年12月25日閣議決定。以下「基本方針」という。)においては,「受け入れる外国人の雇用形態については、フルタイムとした上で,原則として直接雇用とする。」と規定し,分野の特性に応じ,派遣形態を一部認める以外は,特定技能所属機関が直接雇用する制度としており,複数の機関が一人の特定技能外国人に係る特定技能所属機関となることは想定していない。したがって,「出向」のうち, 「在籍型出向」については出向元と出向先双方が労働者との間で雇用契約関係があるものであり,上記のとおり、一人の特定技能外国人に対し複数の機関が特定技能所属機関となることは認められないことから,「在籍型出向」での受入れが認められない。他方で,労働者が出向先との間でのみ雇用契約を締結することとなる「移籍型出向」については,出向先が外国人との間で特定技能雇用契約を締結することで特定技能所属機関となることは認め得るものである。
工 分野の該当性については,基本的に,分野ごとに設置される協議会への加入に当たって判断されることとなっていることに留意する。
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