日本人の配偶者等の在留資格について

「日本人の配偶者等」の在留資格は,日本人の配偶者,日本人の特別養子又は日本人の 子として出生した者を受け入れるために設けられたものである。「本邦に在留中に行うこ とができる活動の範囲に制限はない」という言い方がなされることがあるが,入管法第7 条第1項第2号には,「別表第2の下欄に掲げる身分若しくは地位を『有する者としての活動』」と定められているのであり,その活動を逸脱することはできないことに留意する。 ることができるようにするために設けられたものである。

該当範囲

入管法別表第2の「日本人の配偶者等」の項の下欄は,本邦において有する身分又は地位について,以下のとおり規定している。 

日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者 

入管法別表第2

具体的には,次の(1)から(3)の身分を有する者が該当する。

 (1)日本人の配偶者の身分を有する者

(注1)「配偶者」とは,現に婚姻関係中の者をいい,相手方の配偶者が死亡した者又は離婚したものは含まれない。また、配偶者として在留が認められるためには,双方の国籍国において法的に夫婦関係にあり、配偶者として認められていることが必要であるとともに,我が国においても配偶者として扱われるような者であることが必要であることから, 内縁の配偶者は認められない。

(注2) 法律上の婚姻関係が成立していても,同居し,互いに協力し,扶助しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実体を伴っていない場合には,日本人の配偶者としての活動を行うものとはいえず,在留資格該当性は認められない。社会通念上の夫婦の共同生活を営むといえるためには,合理的な理由がない限り,同居して生活していることを要する。

 (2)日本人の特別養子の身分を有する者

(注)法律上の特別養子の身分を有している者をいう。特別養子縁組は,民法第817条の2第1項の規定に基づいて家庭裁判所の審判により成立し,生みの親との身分関係を切り離し、養父母との間に実の子とほぼ同様な関係が成立する。なお,特別養子縁組及びその離縁に関する事項については,養親の戸籍の身分事項欄に記載される(戸籍法施行規則第35条第3号の2)。 

【参考】民法第817条の2第1項 

家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、 養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。

 (3)日本人の子として出生した者の身分を有する者

(注1)「日本人の子として出生した者」とは,日本人の実子をいい, 嫡出子のほか,認知された嫡出でない子が含まれるが,養子は含まない。 

(注2)出生の時に父又は母のいずれか一方が日本国籍を有していた場合,また,本人の出生前に父が死亡し,かつ,その父が死亡のときに日本国籍を有していた場合が,これに当たる。他方,本人の出生後にその父又は母が日本国籍を取得しても,そのことにより当該外国人が「日本人の子として出生した者」にはならない。 

(注3)本人の出生後父又は母が日本国籍を離脱した場合も,日本人の子として出生したという事実に影響を与えるものではない。

(注4) 「日本人の子として出生した者」は,「本邦で出生したこと」が要件とされていないので,外国で出生した者も含まれる。

裁判例

(1) 配偶者としての活動を行おうとする者の在留資格該当性(平成14年10月17日最高裁判所判決)

ア 「日本人の配偶者等」の在留資格をもって本邦に在留するためには、単にその日本人配偶者との間に法律上有効な婚姻関係があるだけでは足りない

イ 日本人配偶者との間に,両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真しな意思をもって共同生活を営むことを本質とする婚姻という特別な身分関係を有する者として本邦において活動しようとすることに基づくものと解される。

ウ 婚姻関係が法律上存続している場合であっても、夫婦の一方又は双方が既に上記の意思を確定的に喪失するとともに,夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり,その回復の見込みが全くない状態に至ったときは,当該婚姻はもはや社会生活上の実質的基礎を失っているものというべきである。

(注)
本判決は,「配偶者としての活動を行う者」とする者の在留資格該当性について判示しており,「日本人の配偶者である者として在留資格が付与されるべき者については, 日本人との婚姻が法律上有効なものであれば足りるものと解される。」(平成6年5月26日東京地方裁判所判決)の考え方を否定し,当局側の主張を採用したものであると同時に,本判決と同旨の地方裁判所並びに高等裁判所の判決を最高裁判所が初めて認め たものである。

(2) 同居・協力・扶助の活動が行われなくなっている場合の在留資格該当性の判断(平成8年5月30日東京高等裁判所判決)

「婚姻関係が冷却化し,同居・相互の協力扶助の活動が事実上行われなくなっている場合であっても,未だその状態が固定化しておらず,当該外国人が日本人配偶者との婚姻関係を修復・維持し得る可能性があるなど,婚姻関係が実体を失い形骸化しているとまでは認めることができない段階においては,なお,社会通念上,同居・協力・扶助を中核とする婚姻関係に付随する日本人の配偶者としての活動を行う余地があるものというべきであるから,当該外国人に「日本人の配偶者等」の在留資格該当性を肯定するのが相当である。」

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