普通帰化(Naturalization)の7つの要件【やさしい日本語で】
外国人のひとが日本人に帰化したい場合には、最低でも以下の7つの要件を満たしている必要があります。
このことは国籍法という法律に書いてあることですので、そのことについて外国のかたが少しでもわかるように、かんたんな言葉で説明をしていきます。
帰化(きか)-Naturalization- とは
帰化(きか)とは、日本に住んでいる外国人が、国籍(nationality)を日本に変えることです。(つまり日本人になるということ!)
帰化をするには、法務局(ほうむきょく)に何回か行って話しを聞き、たくさんの書類を出します。
多い人では100枚以上になることもあります。
そして、法務局に書類を出してから、結果がでるまで1年くらい、またはそれ以上かかります。
では、帰化をするにはどのような基準があるのでしょうか。
一般的な7つの要件について、説明します。
①日本に長く住んでいますか?(居住要件)
・つづけて5年以上日本に住んでいて、そのうち3年以上は社員として(就労ビザで)働いていること
または、
・10年以上日本に住んでいて、そのうち1年以上は社員として働いていること
このどちらかに当てはまっていますか?
たとえば…
〇留学ビザ(Student visa)で日本に来て2年間学校へ通い、その後就労ビザ(Working visa)で3年間、正社員として働いている。
〇家族滞在ビザ(Family visa)で9年間日本で暮らし、その後1年以上、就労ビザ (Working visa) で正社員として働いている。
✖留学ビザ (Student visa) で日本に来て4年間学校へ通い、その後2年間、就労ビザ (Working visa) で正社員として働いている。
✖留学ビザ (Student visa) で日本に来て2年間学校へ通い、その後母国へ帰国して1年間働き、そのあと日本へ戻り、就労ビザ (Working visa) で3年間働いている。
↓注意!↓
1年間のうちに、3ヶ月以上日本を離れて(帰国したりして)しまうと、「つづけて」の要件から外れてしまします。
また、1回の出国が3ヶ月以上でなくても、1年のうちで合計90日以上、日本を離れてしまうと、「つづけて」の要件から外れてしまします。
参考:出入(帰)国記録に係る開示請求についてhttp://www.moj.go.jp/isa/applications/disclosure/record.html
注)任意代理人による開示請求不可
②日本でも母国でも成人していますか?(能力要件)
・日本での成人年齢(おとなになるねんれい)は、現在20才と決まっていますので、まず20才以上であること。
・母国での成人年齢に達していること。
シンガポールやアルゼンチン、エジプトなどは21才を成人年齢としていますので、それらの国の人たちは、21才以上でないといけません。
参考:世界各国の成人年齢 http://www.moj.go.jp/content/000012508.pdf
この両方に当てはまっていますか?
たとえば、
〇中国人で、20才の人はOKです。(中国での成人年齢は18才)
〇韓国人で、20才の人はOKです。(韓国での成人年齢は20才)
✖インドネシア人で、20才の人は、まだダメです。(インドネシアでの成人年齢は21才)
③日本で正しく生活していますか?(素行要件)
・税金(tax)をしっかり払っている
税金を払っているかは、帰化申請する本人だけでなく、一緒に住んでいる家族も対象です。
自分でビジネスをしている人は、自分の税金だけでなく、会社の税金もしっかり納税を行っていることが必要です。
参考:国税庁 納税証明書の交付請求手続 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nozei-shomei/01.htm
※地方税の納付確認は、各自治体で納税証明書を請求のこと。
・年金(Japanese National Pension System)をしっかり払っている
年金を払っているかは、直近1年分が最低でも必要です。
もし年金を支払っていなければ、最低でも今までの1年分を支払う必要があります。
参考:日本年金機構(年金記録の確認)https://www.nenkin.go.jp/n_net/n_net/manual/confirmation.html
・犯罪歴(はんざい)や、重度の違反(いはん)がない
まえに悪いこと(犯罪や罰金など)をしてしまった場合は、5年~10年の時間が経っていることが必要です。
また、軽い交通違反は過去5年間で5回程度あると、よくありません。
重たい交通違反(飲酒、50㎞超のスピード違反など)は、1回でもあると、よくありません。
参考:自動車安全運転センター(運転経歴に係る証明書)https://www.jsdc.or.jp/certificate/tabid/109/Default.aspx
④日本で安定して暮らせる収入がありますか?(生計要件)
もしあなたに、一緒に住んでいる家族がいれば、家族を含めて考えます。
毎月の給与(サラリー)から、生活にかかるお金を差し引いて、プラスになっていますか?
注)永住申請の場合は、年収要件(目安300万円程度を5年連続)があります。
注)貯金の額はあまり大事ではありません。毎月安定した収入で生活ができているかが大事です。
△一人暮らしで1000万円の貯金があるが、今は働いていない。
〇一人暮らしで貯金は100万円で、毎月の収入が20万円ある。
⑤母国(あなたのくに)の国籍(こくせき)をなくしていいですか?(重国籍防止要件)
日本は、二重国籍を認めていません。
よって、日本に帰化した場合は、母国の国籍から抜けなければいけません。
⑥日本の法律(ほうりつ)を守りますか?(思想要件)
反社会的勢力やテロリストであってはいけません。
日本の政府を壊そうと思ったり、そのような会を作ったりしてはいけません。
⑦日本語をうまく使えますか?(日本語能力要件)
普段の生活でのお話しや、日本語の読み書きが、うまくできますか?
帰化は面接(めんせつ)がありますので、その時にしっかりとした受け答えができないといけません。
目安は、小学校3,4年生くらい、日本語能力試験のN3~N4くらいとされています。
きをつけるポイント
これまで書いてきたの7つの要件を含めて、きをつけるポイントを少しご案内します。
①あなたが会社員(給与をもらっている)の場合
・あなたのはたらく会社が社会保険に入っているかどうか、また住民税・厚生年金が給与から引かれていますか?
・転職などで1年間に2つのところ以上から給与をもらった場合、年末調整または確定申告をしていますか?
・母国に住む親族を扶養(ふよう)に入れていませんか?
②あなたが経営者の場合
・社会保険(厚生年金)に加入していますか?
・会社の経営状況は良いですか?
以上、帰化申請の要件についてまとめました。
「自分で申請できるかどうか不安」「書類が複雑でわからない」という場合は、ぜひ一度、当事務所へご相談ください。
投稿者プロフィール
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JR板橋駅すぐのハンコ印刷センター代表/行政書士の青木寛明です。
先代が営んでいたはんこ屋を引き継ぎ運営する傍らで、行政書士事務所を店舗内に併設しています。
気軽に何でも相談できる場所を目指しています。
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