合同会社の代表者が表記する肩書きとは?名刺屋が答えます。

板橋駅5分、旧中山道沿いに店舗と事務所を構えます、ハンコ印刷センター代表兼行政書士の青木と申します。

本日は、「合同会社」×「名刺」について。

2006年の会社法改正に伴い新設された合同会社ですが、年々とその知名度も高まり、以前に増して名刺作成の機会も増えてきたように感じます。

ただ、意外と定まっていないのが、代表者の名刺作成の際の「肩書き」欄。

株式会社であれば、「代表取締役」または「代表取締役社長」が大半ですが、合同会社の場合は皆さんどのように記載しているのでしょうか。以下にまとめてみました。

 

パターン① 代表社員 ○○太郎

一番スタンダードなのが、この「代表社員」という肩書きです。法人の登記簿謄本にもこの「代表社員」という肩書きが表記されます。

ただ、実際のところ、「従業員の代表のように思われないだろうか?」という点を気にされている方もいらっしゃるようです。

確かに、合同会社自体は段々と世の中に浸透はしてきているものの、その肩書きまで知識として持っている方はまだ少ないのかもしれません。会社のトップ=「代表取締役○○」という名称が一般的に知れ渡っていますので、名刺交換をする相手方によっては、立場を間違われる可能性もあるのかも知れません。

パターン② 社長 ○○太郎

会社の「長」を言い表すこの「社長」という肩書きは、一般的に世に知れ渡っており、非常に馴染みのある肩書きであると言えます。

実際に対面や電話などでお話しする場合には、相手方が株式会社の場合でも合同会社の場合でも、「○○社長、この間の件ですが~」などと、日常的に使用される文言ではあります。

ただしこれは、上記のような口語的な使用がほとんどであり、文字表記において、この「社長」という肩書きを明示する機会はあまりありません。使用するとしても社内向けのものであるとか、簡易に立場を示す場合などに多く使われている印象です。

肩書きというよりも、「通称表現」のようなニュアンスで普段使われているのがこの「社長」という文言ではないでしょうか。

もちろん、名刺の肩書きに「社長」と表記をしても何ら間違いではございませんし、実際にそうされている方もいらっしゃいます。対外的なわかりやすさを重視するなら、この表現が一番妥当とも言えます。

 ※パターン③の下にもう少し詳しい記載がございます。

パターン③ 代表 ○○太郎

もっとも無難と言えるのがこの「代表」という文言です。文字通り会社の代表者であることは言わずもがなですし、「代表社員」「代表取締役」「代表理事」など様々な組織において包括的に使用できる表現と言えるでしょう。

実際に当方が名刺の作成をうけたまわる際も、肩書きの表記に迷っている方にはこの「代表」という文言を勧めるケースが多いです。前述したように、汎用性が高いことと、誰もが理解できるという理由からです。

しかし、合同会社において、社員(出資者)が1名以上であり、他の役職者と明確に区別をするなら、それぞれ「業務執行社員」「代表社員」などと正確に肩書きを表記したほうがベターであり、なるべくあいまいな表現は避けたほうが良いでしょう。

デメリットとしては、汎用性が高いがゆえに、個人事業者などもこの「代表」という肩書きを多く使用している点です。このあたりが気にならない方は、この「代表」という肩書きが個人的には一番シンプルかと思います。

定款(ていかん)に規定を置くこともできる

ここからは少し専門的な話になりますので、ご興味のあるかたはそのままお読みください。

さて、パターン②で挙げた「社長」という肩書きについてですが、そもそも合同会社において「社長」というポスト(表現)が適切なのかと迷う方もいらっしゃるかと思います。

結論から申し上げますと、「社長」という役職は法律で直接規定されたものではなく、各会社の任意になりますので、特に合同会社であっても「社長」と名乗ることに関して問題はありません。(「社長」として登記することはできません。)

さらに、「社長」という役職を、より正式なものとするためには、定款に定めることをおすすめいたします。具体的には、定款内に以下のような文言を表記されるとよろしいかと思います。

代表社員は社長とし、当会社を代表する。

 

こういった規定を設けることで、対外的観点からも「社長」という肩書きを担保する書面を作成することが可能となります。

 

 

私は普段から、店舗にて名刺の作成や、行政書士として定款の作成を行っておりますが、今回のようなテーマについて依頼者の方からご相談いただくケースも多かったため、このようにまとめてみました。

下段に、合同会社に関連するリンク記事もございますので、もし時間と興味がありましたらそちらもお読みください。ありがとうございました。

 

p,s, 同業の方々、いつも大変お世話になっております。ここまでお読み下さって何か気になる点、記載間違い等、忌憚のないご意見を頂戴できますと大変ありがたく存じます。引き続きよろしくお願い致します。

 行政書士 青木寛明

 

 

 

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