「会社設立0円=税理士と顧問契約」この仕組みを解説します。本当におトクなの?

JR板橋駅5分、旧中山道沿いに店舗と事務所を構えます、ハンコ印刷センター代表兼行政書士の青木です。いつもご覧いただきありがとうございます。

本日は、「会社設立0円」について、解説をします。

正直、税理士さんの知り合いやお客様も多いので、あまり声を大にして話せることではないのですが、それでもこの仕組みを正しく理解しておくことは、これから起業して会社を設立する人にとって、大事なことかと思いますので、ご興味のある方は是非最後までお読みください。

会社設立0円は、あのビジネスモデルと同じ。

結論から申し上げますと、会社設立0円代行は、

携帯電話販売の手法「端末代実質0円」と同じビジネスモデル。
初期費用(イニシャルコスト)は安いが、その後の維持費用(ランニングコスト)はそれなりに高額なことが多い。

この言葉で説明がつきます。

これらの0円設立を運営しているサイトは、そのほとんどが税理士事務所さんです。

税理士さんと言えば、すでに個人事業をされている方はお世話になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、主に会社の義務である「納税」と、日々の会計業務について、会社の大きな支えとなってくれる頼もしいパートナーです。

別の言い方をすれば、

「あなたの会社で唯一、あなたの財布の中身を隅々まで見ることが出来る人。」

これが税理士さんなのです。

顧問料の相場はいかほどか?

税理士さんには、毎月の「顧問料」という形で、会社の経理業務を代行する費用などをお支払いします。加えて、年1回(売り上げ規模により年2回)の税務申告では、毎月の顧問料とは別に「決算料」という費用をお支払いして、税務申告の代理を行ってもらいます。

下記の表は、「税理士ドットコム」という、税理士マッチングサイトの最大手(※運営会社は、クラウドサインなどでも有名な、東証マザーズ上場会社の「弁護士ドットコム」)がホームページ上に掲載している税理士顧問料の相場です。

顧問税理士の報酬相場の料金表
出所:税理士ドットコム https://www.zeiri4.com/c_1/c_1027/

これを見てどのようにお感じになったでしょうか??

仮に、年間の売上が1,200万(月商100万)で、個人事業から法人成りをしたとして、設立1期目から税理士さんに支払う毎月の顧問料は、記帳代行(経理業務)と合わせて3万円前後~/月、決算料は12万円~。単純計算で年間50万円近くの経費が掛かることになります。

会社の規模や業種にもよりますので、一概には言えませんが、ひとり会社や小規模法人の場合で、設立初年度から会計業務に毎月3万円を会社の経費(≒社長の財布)から捻出することに対して、費用対効果(コスパ)が見合っているかどうかは、会社を設立する前にしっかりと考えておく必要があります。

※実際には全国で約8万人もの多種多様な税理士さんがいらっしゃいます(行政書士は約5万人)。もちろん、会社の規模や設立年度などに応じてかなり良心的な価格設定をされている方もいらっしゃいます。

毎月の携帯電話料金の仕組みとよく似ています。

下記の表は、ひとり会社(小規模事業者)の法人成りに伴う、設立後5年間の会計経費をモデルケースで示したものです。

ひとり会社の法人成りにともなう設立後5年間の会計経費比較

これは一例にすぎませんし、全ての方に当てはまるものでもないと思いますが、

設立初年度からガッツリ顧問税理士さんを付けずとも、まずは売り上げアップのための販売促進費用に経費をかけるべし。
(※決算だけを単発でお願いする)

といったことを表に示したものです。

実は、初期費用を安く(実質0円)にしておいて、毎月の定額費用(顧問料)を多くいただくというこのビジネスモデル、あの携帯電話料金の設定とよく似ていませんか? さらに、契約から最低1年間~2年間は顧問契約に縛りがある(契約解除ができない)という点も、よく似ています。

税理士さんの立場からすると、設立費用は毎月の顧問料および決算料で後から回収できるわけですから、たとえ0円にしたとしても、顧客獲得のためには痛手ではないということですね。

そのため、基本的には会社を設立することが前提でのご依頼ということになりますし、設立をするべきか否かのアドバイスという点に関しては、どうしても設立優位にベクトルが向いていることは否めない事実だと思います。

ビジネスパートナーとしての相性は大事

もう一つ、とても大切なことがあります。むしろこちらのほうが重要と言ってもよいです。

それは、税理士さんとの「相性」です。下記の表をご覧ください。

中小企業経営者の経営相談の状況
出所:中小企業白書(2012年度版)

これは、経営者が最も信頼できる相談相手としてだれを選んでいるかということを統計で示したものです。この表から見て取れることは、

身近な経営相談ができる相手として、約7割が「顧問税理士」と回答している。

これはとても重要な事実だと思います。

例えば人を雇用するときには、必ず事前に面接をしたうえで、「この人とだったら永く一緒に仕事ができる」「安心して業務を任せられる」「会社の売上に貢献することができる」という見立てのもと、採用を決意すると思います。

税理士さんと顧問契約を結ぶということは、言わば人を雇用することと考え方は一緒です。(実際雇用関係にはありませんが)

  • コミュニケーションは取りやすいか?
  • 場所や利便性に優れているか?
  • 自分の財布の中身を全て見せられるか?

以上のようなことに注目して、顧問税理士さんは慎重に選ぶ必要があるかと思います。

まとめ

会社設立を0円で依頼する=税理士と顧問契約を結ぶ

このことに着目をして、最初からこの税理士さんと仕事がしたい!という意中の人がいれば、設立からお世話になるべし!

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