会社設立における合同会社の割合は?板橋区もついでに。

2006年の会社法改正に伴い新設された「合同会社」。年々とその知名度も高まり、以前よりも目にする機会も増えてきたように感じます。

では具体的に、新規の法人設立件数に対して「合同会社」の割合がどの程度だったのか、気になる調査結果が出ていましたので、まとめておきます。

株式会社:合同会社=3:1

2020年6月に公開されている、東京商工リサーチの記事によりますと、2019年に新たに設立された法人数は、131,292社で、そのうち株式会社が88,724社(67.5%)、次いで合同会社が30,424社(23.1%)、合同会社は新設以来初の3万社を超えたと書かれています。

単純に、「株式会社」3対「合同会社」1程度の割合にまで合同会社の数が増えているということになります。

また、新規法人設立件数の4社に1社が合同会社であったと言うこともできます。

これらの数字を見ますと、合同会社のかつてのマイナーな印象は薄れ、確実に世の中に浸透してきている法人形態であることが感じられます。

全国の3分の1は東京都で設立

さらに驚いたことに、都道府県別にみますと、最多は東京都で10,086社、構成比で言うと、前述した全国の30,424社のうちの3分の1は東京都内で設立されたことになります。

二位は神奈川県で2,398社、三位は大阪府で2,236社ですので、東京都での合同会社設立が圧倒的に多いことがわかります。

増加率という点で見ますと、一位が山梨県(62.5%増)、二位が山形県(49.3%増)、三位が島根県(46.3%増)という結果となっており、地方でも確実に浸透していることがわかります。

法人成りがしやすい「合同会社」

さて、そんな「合同会社」ですが、なぜそもそもこのように設立件数が増えているのでしょうか。

合同会社のメリットは数多くありますが、ズバリその特徴をシンプルに言えば、「早い・安い・手軽」といったところではないでしょうか。

中でも、個人事業主として一人もしくは家族経営で事業を行っている方が、事業拡大により法人化をするいわゆる「法人成り」において、この「合同会社」が活用される機会が圧倒的に多いように感じます。

また、近頃の新型コロナウイルス感染拡大に伴う「持続化給付金」においても、当初対象ではなかった新設法人について、後から給付対象とするなど、政府としても新規創業者への支援に協力的な姿勢であることもうかがわれます。

株式会社に比べ、設立コストおよび維持コストがかからず、経営の意思決定における自由度も高く、比較的手軽な印象があるこの合同会社ですが、以前のようなマイナス(知名度が低い)イメージもかなり無くなってきていると思われ、今後ますます増えることが予想される法人形態であると感じました。

 

出所:東京商工リサーチ「2019年合同会社の新設法人調査

(おまけ)板橋区の比率はどのくらい??

ここからは情報の精度に欠ける部分がありますので、おまけ程度に書いておきます。

東京都で合同会社の設立件数が多いというのはわかりましたが、ではここ板橋区ではどの程度なのだろう?と疑問に思い、さらに深堀りしていきました。

さすがに東京商工リサーチの前述の記事にはそこまで細かな情報は掲載されていませんので、他を漁っていますと、やや年式は古くなりますが、以下の統計を見つけました。

出所:東京都の統計「平成28年経済センサス-活動調査報告」一部抜粋

 

こちらは、新設法人数ではなく、既存の事業所数の集計であり、あくまでも一つの目安としか言えませんが、東京都内における「板橋区」の事業所数は平成28年時点では、東京都全体の2.9%という数字が見て取れます。

これを先程の東京都における新設法人件数に当てはめますと、2019年設立の東京都の合同会社10,086社のうちの300社(約3%)程度がここ板橋区で設立された(?)のではないかというざっくりとした数値が見えてきます。

それにしても、板橋区の3%という数値は意外にも少ないなぁというのが正直な感想です。

しかし、一位の港区が6%、二位の中央区が5.7%、三位の新宿区で5.2%という数値ですから、それらと見比べるとこの3%という数値は妥当なのですが、、、

注目は五位の渋谷区、構成比は4.8%ですが、増加率が26.2%と他を圧倒する数値となっています。やはりこれは、いつ行っても工事中の「渋谷再開発」にともなうIT系、クリエイティブ産業の振興が目覚ましいことを示しているのでしょうか。

再開発と言えば、ここ板橋区も「板橋駅西口の再開発」が進められており、駅周辺の工事が進んでおります。

5.6年後?にはこんな大きなマンション兼商業施設も建設されるようで、新たな街の賑わいや、それこそ新規の事業者さんも増えることでしょう。そのころまで、私ももう一回り二回りと成長していたいものです。

 

 

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